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2016坂出アートプロジェクト秋会期につくった作品、
「concrete gestation (懐胎)」
についてのお話なんですが。
気持ち悪い卵がごろごろ転がってるあの様子が、住んでいる住人の一部の方から「気味がわるい、夜寝られなくなる」といった声がアートディレクターのF氏のほうに上がってきたそうでして・・・。
会期中後半、卵の中から花が咲き乱れるという展開は実はそういう声や印象を少しでも緩和できないかとF氏と相談して付け加えたものでした。
自分としてはこの作品から植物が繁茂するという展開は構想自体は当初からあったんですが、もっと時間をかけて自然に繁茂させるのでなければやらないほうがいいかな、と思っていたんですよね。で、まあ、コストはかかりましたがこのようになりました。
ちなみに会期終了と同時に撤去して作品制作以前の状態に復旧しました。そして花苗は大部分を住民の希望者にさしあげました。よろこんでいただけてよかったです。
中心に植わっている大きなクスノキについて、根を部分的に掘り起こしてあのような作品として提示しているわけですが、木が痛むのではないか?という声もやはりあったと聞いています。そこに関しては自分はキャリアも長い植木職人が本職ですので、木を傷めないように根を切ったりはせず、最終的に土壌改良もしてむしろ木が元気になるようにした・・・ということがあります。
生きている素材を作品として扱うのはなかなか難しい面がありますね。植物を扱う本職として、今後も植物を扱う作品をつくるなら十分に気を付けていかないといけないなと思っています。
↑施工前