-Unbalance + Automatic-   津村ユキヲnote

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宇宙を駆けるよだか 1~3巻(完)  感想文(ネタバレ)

宇宙を駆けるよだか川端志季 を読んだ。

 

2015年の別マ連載作品で、この漫画がすごい系のにもランクインしてるらしい。

タイトルが明らかに宮沢賢治の「よだかの星」からとってるので読まなければいけないと思った・・・。

醜い女の子が可愛い女の子に精神の入れ替わりを仕掛け、成功し、その後の顛末があれこれ・・・という話。

醜いゆえにねじけてしまった魂、と彼女は自分を規定するが、まあいろんな理由でねじけていじけてどうしようもなくなってしまった人間というのは世の中に多数存在するわけで、その中には自殺することによって復讐を果たそうとしたりとか人を傷つけたり何かを攻撃することによって鬱憤を晴らしたりとか、ああ、あるよね最近よく耳にするよね。そういう人間にはどう対処すればいいのだろう。

関わりを持たない、という選択は一番の正攻法だがなにも生まないし成長もない。自分はわりとこれ。

この物語においては、関わった(させられた)三人+ねじけた一人。+ねじけた子の親、がその子のことを兎に角、とりあえず認める。わかろうとする意思を示す。ぶつかってしっかり関わる。

ことによって解決を試みた。とりあえず解決した。

ああ眩しい。よのなかみんなこうあればいいんだけどね・・・。自分もこうあれればいいんだけどね・・・。

この漫画における「よだか」・・・みにくい少女。は、いわば暴走して、宇宙駆けて、ぶつかってぶつかって、ぶつかりまくって、ついにはよだかなりに生きる道を見つけることができた・・・ということかな・・・。

 

一方、宮沢賢治の「よだかの星」はやけになって暴走しつくし核分裂反応をおこしてついに自ら星になることに成功した。というアレな話なので(おい)、それはそれでかっこいい。

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