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-Unbalance + Automatic-   津村ユキヲnote

日記-雑感-その他     

宮沢賢治 「農民芸術概論綱要」 その要諦

宮沢賢治は過激な理想主義者である。そしてそういう人はたいてい、今でいう「中二」である。

まあ言ってることは過激でも、やってることは実は中途半端とか、よくありがちなことであるが、そういうことも含めて中二であるといえよう。

 

以下その要諦というか、部分コピペ。

 


序論

……われらはいっしょにこれから何を論ずるか……

 

おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった
近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である


農民芸術の興隆

……何故われらの芸術がいま起らねばならないか……

 

曾つてわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きてゐた
そこには芸術も宗教もあった
いまわれらにはただ労働が 生存があるばかりである
宗教は疲れて近代科学に置換され然も科学は冷く暗い
芸術はいまわれらを離れ然もわびしく堕落した
いま宗教家芸術家とは真善若くは美を独占し販るものである
われらに購ふべき力もなく 又さるものを必要とせぬ
いまやわれらは新たに正しき道を行き われらの美をば創らねばならぬ
芸術をもてあの灰色の労働を燃せ
ここにはわれら不断の潔く楽しい創造がある
都人よ 来ってわれらに交れ 世界よ 他意なきわれらを容れよ

 

われらは新たな美を創る 美学は絶えず移動する

 

神秘主義は絶えず新たに起るであらう

 

なべての悩みをたきぎと燃やし なべての心を心とせよ

 

風とゆききし 雲からエネルギーをとれ

 

職業芸術家は一度亡びねばならぬ

 

まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう

 

……われらに要るものは銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である……

 

永久の未完成これ完成である

 

畢竟ここには宮沢賢治一九二六年のその考があるのみである

 

 

農民芸術概論綱要自体は青空文庫化してます。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/2386_13825.html

 

 

検索していて見つけて、すごく難しい文章なのでだいぶ斜め読みしたが、正鵠を得た解説(論)だよなあと思った文書がこちら。

リンクが切れててどなたが書いたかわかりませんが。

 

農民と芸術  ─宮沢賢治の『農民芸術概論』

http://www.geocities.co.jp/Bookend/4208/unpublished/farmer.html

 

 

宮沢賢治、自分は好きだけどキライです。きっと自分と同じ中二だからでしょう。

宮沢賢治童話作家であり、詩人でもあり、庭園デザインまでしたことがあるという実に多彩なひとですが、「農民」(彼流のイデオロギーに基づく)たらんとしたひとでした。

まあ、そんなことを踏まえて、自分は「農民芸術家」と名乗ってみたりするわけです。